単刀直入に伝えよう。
メンズにとって日々のスキンケアは欠かせないほど重要なものだ。
シェービングや日焼けによって、メンズの肌はダメージを受けがち。
毎日適切なスキンケアを続けて、肌を守っていかなければいけない。
だが「自分に合ったケアアイテムがわからない」「そもそもスキンケアについて詳しく知らない」という方も多いだろう。
そこで本記事では、スキンケアの基礎知識や正しい手順について解説していく。
【この記事の監修者】
メンズ美容家
木津 利香(きづ りか)さん
1974年、石川県生まれ。
幼少期より肌が弱く、20才にして80才まで肌老化する。
肌を若くしたい一心で5年間で約600個、1千万円分ものコスメを試す。
また、肌は臓器の一つであることから体内のケアも追求。
その結果、独自の美容メソッドを構築するに至り、2004年に美容家として活動を開始。
セミナー登壇700件以上、受講者1万4000名以上。
現在、夕刊フジ(産経新聞社)で週刊連載を手がけたり、
》メンズ美容講座【kizzrica】(公式サイト)
メンズスキンケアの基礎知識
メンズのスキンケアは洗顔、化粧水、乳液の3ステップが基本となる。
- 洗顔:余分な皮脂や角質など、顔の汚れを落とす
- 化粧水:肌の水分を補給し、うるおいを与える
- 乳液:肌の水分が蒸発しないように油分を補い、乾燥を防ぐ
上記の3ステップを正しく行うことで、ニキビや小じわなどの肌トラブルを防ぐことができるのだ。
①洗顔の役割
洗顔は余分な皮脂や角質を洗い流し、肌を清浄にするのが主な役割。
- 汗や皮脂
- 古い角質
- 空気中のホコリや排気ガスなどの汚れ など
上記のように、生活するだけで顔には目に見えない汚れが溜まっている。
洗顔をおろそかにすると、様々な肌トラブルを招く恐れがあるのだ。
例えば、雑菌が繁殖してニキビの原因になったり、皮脂が酸化して毛穴の黒ずみや毛穴の開きに繋がったりしかねない。
さらに洗顔不足で古い角質がたまると、「食事や睡眠をしっかりとってるのに顔色がくすむ」といったトラブルを引き起こしてしまうのだ。
また肌に汚れが溜まった状態では、あとで使う化粧水や乳液が角質層まで浸透しにくいといったデメリットも…。
つまり、洗顔はスキンケアの第一歩に欠かせない工程なのだ。
②化粧水の役割
化粧水は、主に肌へ水分を補給して保湿する役割がある。
洗顔後の肌は汚れとともに皮脂が洗い流され、乾燥しやすい状態。
そのまま放置すると、カサつきや粉吹き(※)の原因になる。
※肌表面の水分がなくなり、白く粉っぽい角質が剥がれ落ちている状態のこと。
角質が硬くなってしまい、乳液や保湿クリームの肌なじみが悪くなるというデメリットもある。
また、肌の乾燥は皮脂の過剰分泌を促すため、ニキビができるケースがある。
ニキビ肌の人は皮脂が多い”オイリー肌”のイメージが強いが、実は乾燥が原因になっていることも少なくないのだ。
(関連:【男のニキビの原因&速攻で治す方法】繰り返す大人ニキビを予防して美肌になろう)
化粧水はうるおいを与えて、肌をやわらかくするのに欠かせない化粧品。
洗顔後は肌の乾燥を防ぐためにも、きちんと化粧水を使おう。
③乳液・保湿クリームの役割
乳液や保湿クリームは、油分などの保湿成分で肌をしっとりさせる役割がある。
肌内部の水分や、化粧水で与えた水分が蒸発しないようにフタをするのだ。
実は、化粧水だけで肌の乾燥を防ぐことは難しい。
イメージしやすいと思うが、与えた水分は蒸発するからだ。
そのため、油分が含まれている乳液や保湿クリームを使って水分を閉じ込めるのが賢いやり方。
もちろん、洗顔で流しすぎた皮脂を補うことにもなり、ダブルで乾燥を防いでくれる。
硬くなった角質を柔らげるので、肌のザラつきやごわつきにも効果的だ。
スキンケアの仕上げとして、ぜひ使って欲しい。
スキンケアアイテムの使い方と手順
スキンケアアイテムは正しい使い方を知らなければ効果を発揮しきれない。
どんなに質のいいアイテムを使っても、使い方が間違っていると台無しだ。
ここからは洗顔・化粧水・保湿剤の三段階に分けて、使うポイントを解説していく。
洗顔料は”きめ細かな泡”が命!
- 手をキレイに洗って清潔な状態にする
- ”30~32度のぬるま湯”で軽く顔を洗い流す
- 洗顔料を”テニスボール1個分”になるまで泡立てる
- 皮脂量の多い箇所(おでこや鼻)から泡をのせる
- ”泡を転がす”ように全体に広げながら洗う
- ぬるま湯で”泡を溶かす”ように洗い流す
- ”20~30回”を目安にすすぐ
- 清潔なタオルでやさしく水分を拭き取る
洗顔で重要なポイントは、洗顔料をしっかり泡立てること。
泡の量は、テニスボール1個分ぐらいが目安だ。
きめ細かな泡が肌に密着し、余分な皮脂や角質を落とすことが明らかになっている。
逆に泡が少ないと手でゴシゴシ擦って、必要な皮脂まで落としかねないので要注意。
また洗いすぎは肌に必要なうるおいをなくすので、洗顔は朝晩の2回が目安だ。
他にも、下記のような肌に刺激を与えてしまう行為はNG。
- シャワーを直接顔に当てる
- 洗顔時、すすぐ時に顔をゴシゴシと擦る
- タオルで強くゴシゴシ拭く
ワイルドな男洗いは、肌への負担も大きくなるので今すぐやめるべきだ。
顔に触れるときは、”常にやさしく触る”を心がけよう。
化粧水は”たっぷりと贅沢”に使う
- 化粧水を”500円玉の大きさ”になるぐらい出す
- 手のひらで温めて浸透率を上げる
- 頬やアゴなど乾燥しやすい部分からなじませる
- 頬やおでこなど、顔全体をハンドプレスする
(※ハンドプレス…適度な圧力をかけて肌になじませること)
化粧水は、肌に浸透するまでたっぷり使うのが鉄則。
化粧水をケチってしまうと、十分に水分補給されないので注意が必要だ。
洗顔後はツッパリ感がなくなるくらい、たっぷりの化粧水でうるおいを与えよう。
”締め”の乳液・保湿クリームで肌に水分を閉じ込める
※今回は乳液を例にとって解説。
- 乳液を”1円玉(もしくは10円玉)の大きさ”になるぐらい出す
- 手のひら全体に乳液を伸ばして温める
- 乾燥しやすい頬や目元を、手のひらで包み込む
- 手に残った乳液を、皮脂量の多いおでこや鼻につける
乳液の使用量は「ベタつかず、適度にうるおいを感じるぐらい」がベスト。
はじめのうちは、1円玉~10円玉ぐらいの大きさを目安にするといいだろう。
ただし適量には個人差があるため、慣れてきたら肌質に合わせて増減させるのがベターだ。
目元や頬は乾燥しやすいので、先に乳液をつけておこう。
逆に皮脂量の多いおでこや鼻は、最後に塗ることでテカリを抑えられる。
もし乳液をつけ過ぎて顔がベタつく場合は、ティッシュで軽く拭き取ろう。
必要に応じて重ね塗りすると、調整しやすいはずだ。
ちなみに、乳液は手で塗るのがオススメ。
体温で温められて肌なじみがよくなる。
メンズのスキンケアアイテムを選ぶコツ
スキンケアアイテムは、闇雲に選んで良いわけではない。
スキンケアアイテムを選ぶとき、下記を意識してみよう。
- 「乾燥肌」「脂性肌(オイリー肌)」「敏感肌」で成分やタイプを使い分ける
- 継続して使い続けられる価格のアイテムを選ぶ
自分の肌質に合わせて保湿成分を選ぶ
スキンケアアイテムは、自分の肌質に合っていることが大前提。
肌質に合わせて、どんなアイテムが最適かチェックしておこう。
乾燥肌 | 脂性肌 (オイリー肌) | 敏感肌 | |
---|---|---|---|
洗顔 | ・アミノ酸 ・弱酸性タイプ | ・石けん | ・泡タイプ |
化粧水 | ・高保湿化粧水 | ・薬用(医薬部外品)のニキビ用化粧水 | ・低刺激化粧水 |
保湿剤 | ・クリームタイプ | ・ジェルタイプ | ・乳液/オイル |
※タップ・クリックでスクロールします。
乾燥肌おすすめのスキンケアアイテム
乾燥肌は、保湿重視のスキンケアアイテムがおすすめ。
洗顔料のタイプは、アミノ酸の洗浄成分や弱酸性タイプがベターだ。
化粧水はグリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸などが配合された保湿成分の高いものを選ぼう。
保湿剤はクリームタイプがおすすめ。
肌の表面に膜を作って、水分が蒸発するのを防いでくれる。
塗った後に多少ベタつくことはあるが、油膜で肌表面を守っている証拠だ。
脂性肌おすすめのスキンケアアイテム
脂性肌は、洗浄/抗炎症重視のスキンケアアイテムがベスト。
中でも、洗浄力のある石けんがオススメだ。
泡立てネットを使ってきめ細かな泡を作れば、しっかり洗える。
脂性肌向けの化粧水は肌への刺激が強いものが多いので、使用する前には必ずパッチテストをしてから使おう。
特にニキビ肌で悩んでいる方は、薬用(医薬部外品)のニキビ用化粧水がオススメだ。
効果的にニキビ予防ができる。
保湿剤はジェルタイプがおすすめだ。塗った後の肌表面がサッパリしているのも、脂性肌向けと言えるだろう。
ニキビのもとになりにくいことを確認する「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品なら、より安心だ。
敏感肌おすすめのスキンケアアイテム
敏感肌は、低刺激重視のスキンケアアイテムがおすすめ。
1番刺激が弱い洗顔料を選びたいなら、泡タイプ。
泡立てることで洗浄成分が薄められている製品が多いとされている。
敏感肌のメンズは、”保湿効果が高く刺激の少ない化粧水”を選ぼう。
保湿成分「セラミド」や、抗炎症成分「グリチルリチン酸2k」が配合されているものがオススメ。
逆にエタノール、香料、美白成分(ビタミンC誘導体)が入っているのはNGだ。
保湿剤も化粧水と同じように、肌に刺激を与える成分はなるべく避けておきたい。
使用前には下記の項目が記載がされているかチェックしておこう。
- パッチテスト済み
- アレルギーテスト済み
- スティンギング(皮膚刺激感)テスト済み
そんな混合肌さんには、「化粧品の使い分け」がおすすめ♪
化粧水をたっぷり塗ったあと、下記のようにしてみてください。
- 皮脂が多い部分
→さっぱりタイプのジェルクリームをぬる - 乾燥する部分
→しっとりタイプの保湿クリームをぬる
こうすることで、お肌のバランスが保たれますよ^^
継続して使い続けられる価格
スキンケアアイテムを選ぶときは、継続して使える価格かも要チェック。
美容成分の効果を実感するには、しばらく使い続ける必要がある。
自分の肌に合っているかを確かめるためにも、同じアイテムの継続使用が大前提だ。
たとえばメンズ用の化粧水は、500円~4,000円など価格にバラつきがある。
必ずしも高い商品が満足するスキンケアアイテムとは限らない。
もちろん質の高い成分が含まれていたりもするが、ブランド名や広告費によって価格が高いことも。
高いスキンケアアイテムだからと、万人ウケするわけではないのだ。
値段に惑わされず、経済的に負担にならない範囲でアイテムを選ぼう。
スキンケア以外の肌にキレイにする方法
肌をキレイにする方法は、スキンケアアイテムだけではない。
カラダの内側からのインナーケアにも気を使ってみてほしい。
ここからは、食事と生活習慣から美肌を保つコツを解説していく。
食事でできるスキンケア
健康的でキレイな肌は、バランスの良い食事が大事だ。
栄養素 | 働き | 食材 |
---|---|---|
ビタミンA | ・肌の生まれ変わりを促進 ・乾燥肌の改善にも役立つ | ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、しそ、レバー、うなぎ、乳製品など |
ビタミンC | ・メラニン色素の生成を抑える (シミや黒ずみを抑える) | トマト、パセリ、ピーマン、ほうれん草、小松菜、大根、パプリカ、カリフラワー、ブロッコリー、キウイフルーツ、海苔など |
ビタミンE | ・ニキビの原因となる過酸化脂質をできにくくする ・肌のバリア機能を助ける ・血流促進 | アボカド、キウイフルーツ、かぼちゃ、ウナギ、タラコ、ごま、アーモンド、落花生、ひまわり油など |
タンパク質 | ・肌やカラダの細胞を作る | 大豆製品、赤身(牛や豚など)の肉、鶏むね肉、鶏ささみ肉、アジ、イワシ、卵など |
コラーゲン | ・肌の弾力や張りを維持する ・シワ、肌のたるみを防ぐ | 牛筋、鶏手羽先、鶏の皮、豚骨、軟骨、ウナギ、エビ、サバ、アナゴ、サンマ、鮭など |
日頃の食事から意識して、体の内側からスキンケアをしよう。
逆に、過度のカフェインやアルコール、脂分の多い食べ物はカラダの負担となる。
肌トラブルを招く原因になるので、摂り過ぎには注意しよう。
また喫煙は肌老化を進めることが明らかになっているので、できる限り控えたい。
生活習慣を見直してみる
スキンケア以外で肌をキレイにするには、生活習慣を見直そう。
不規則な生活が続くと、肌をメンテナンスする周期(ターンオーバー)が乱れたり、ニキビなどの肌トラブルを招きかねない。
特に今肌荒れしている方は、まずは適度な運動と眠る環境の改善を意識してみよう。
メンズスキンケアに関するQ&A
Q1.男性が女性用のスキンケアアイテムを使ってもOK?
A1.男性が女性用のスキンケアアイテムを使っても問題ない。
Q2.スキンケアの効果が出るまでの期間は?
A2.肌のザラつき改善など、表面的な効果は1週間を目安に現れる。
メンズのスキンケアについて知っていただけただろうか?
- 洗顔…余分な皮脂や角質、ホコリなどの汚れを落とす
- 化粧水…肌に水分を与えて潤す
- 乳液…水分が蒸発しないように油分で蓋をする
スキンケアの手順には上記のように役割があり、正しい方法で実践することが必要不可欠だ。
- 洗顔するときは”きめ細かな泡”で汚れを落とす
- 化粧水は”たっぷり”使って、うるおいを行き届かせる
- 乳液や保湿クリームで”締めのふた”をして水分を逃がさない
スキンケアをしっかりしていれば、第一印象も格段に良くなる。
見た目が若々しくなれば、ワンランク上の男性として自信もつくはずだ。
スポンサーリンク