ニキビに悩むのは、実は思春期の中高生だけではない。
男性の中には、大人ニキビに悩まされている方も多いだろう。
特に大人ニキビは体質だけでなく、生活習慣が深く関係しているのだ。
そこでこの記事では、顔のパーツや体の部位別に男性の大人ニキビの原因を徹底解説する。
大人ニキビの治し方も紹介しているので、長年ニキビに悩まされたメンズこそチェックしてほしい。
【この記事でわかること】
- ホルモンだけじゃない!思春期ニキビと大人ニキビの違いは「生活習慣」にアリ
- ニキビができる部位/ニキビができる原因
- ニキビを直すなら日頃のスキンケアが第一!生活習慣の見直しも必須
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Contents
そもそもニキビってどんな状態?アクネ菌って何?
そもそもニキビは、毛穴周辺や皮膚表面に雑菌が繁殖している状態である。
主に皮脂の過剰分泌によって毛穴の出口が塞がれ、汚れが蓄積してしまう。
詰まった毛穴の中で雑菌(アクネ菌)が繁殖するのが、ニキビの原因だ。
※アクネ菌…ニキビの原因となる菌。
またニキビは症状の重さによって、下記の種類に大きく分けられる。
【炎症していないニキビ】
白ニキビ(閉鎖面疱)
皮脂や老廃物が詰まり、皮膚が盛り上がっている状態。別名、白色面疱。
黒ニキビ
皮脂や老廃物が詰まり、先端が酸化して黒くなった状態。別名、黒色面疱。
【炎症しているニキビ】
赤ニキビ(炎症性面疱)
白ニキビが悪化して炎症している状態。赤くて目立ちやすく、治りにくい。
黄ニキビ(膿疱性面疱)
ニキビが化膿している状態。黄色い膿が溜まり、一般的に認知されているニキビ。
特に黃ニキビの対処を怠ると、クレーターのように肌に凸凹した痕が残りかねない。
症状が悪化する前に、できるだけ早い段階から治療するのが重要なのだ。
ニキビは潰してもいい?
もしニキビができても潰さないようにしよう。
プッシャーも売られているが、セルフケアではかえって皮膚を傷つけかねない。
ニキビを潰した瞬間はすっきりするかもしれないが、ニキビ跡(クレーター)の原因になるので避けてほしい。
高校生の思春期ニキビと大人ニキビの違い
実は、思春期ニキビと大人ニキビは原因が異なるのでチェックしておこう。
- 思春期ニキビ…成長に伴う男性ホルモンの過剰分泌
- 大人ニキビ…生活習慣の乱れ
思春期ニキビ | 大人ニキビ | |
---|---|---|
年齢 | 10代 | 20代以降 |
発生しやすい部位 | 額~鼻のTゾーン | 顎~口周りのUゾーン |
原因・悪化因子 | ・皮脂の過剰分泌 ・ホルモンバランスの影響 | ・ターンオーバーの乱れ※1 ・肌の乾燥 ・ホルモンバランスの乱れ ・生活習慣の乱れ |
対策 | ・肌を清潔に保つ (スキンケア) | ・肌を清潔に保つ ・十分な保湿 ・生活習慣の見直し(食事/睡眠) |
※1 ターンオーバー…皮膚が生まれ変わるサイクル
思春期ニキビは生理的なニキビで、男性ホルモンによって急激に皮脂量が増えるのが原因。
第二次成長期にあたる13~18歳頃までは、男女問わず思春期ニキビができやすい。
成長期が終わると発生しにくくなるのが、思春期ニキビの特徴だ。
一方、大人ニキビは20代前後から生活習慣の乱れによってできやすくなるのが特徴。
肌の乾燥や睡眠不足、暴飲暴食、偏食など、心身の負担によって引き起こされる。
大人ニキビは繰り返しやすいので、生活習慣から見直していくのが重要なのだ。
大人ニキビができる原因5つ
男性の大人ニキビは、生活習慣の乱れによって引き起こされることがほとんど。
心身に負担がかかるとホルモンバランスが崩れ、皮脂の過剰分泌や肌の修復機能低下を招くのだ。
まずは、「大人ニキビの原因になるNGな生活習慣」をチェックしておこう。
- ストレスが溜まっている
- 質の高い睡眠が取れていない
- 皮脂が過剰分泌されやすい肌質
- 食生活が偏っている
- 肌を清潔に保っていない
ストレスが溜まっている
仕事の多忙や人間関係など、心身ともにストレスが発散されていないのはよくある原因。
ストレスによってホルモンバランスが乱れ、皮膚の免疫力が低下してしまうのだ。
その結果普段ならカバーできる刺激に敏感になり、ニキビができやすくなる。
また老廃物が溜まりやすい体質になり、毛穴の皮脂詰まりも起こしやすくなるのも一因だ。
気分転換やこまめな休息などを心がけるようにしよう。
睡眠不足
睡眠が十分にとれていないのも、大人ニキビを引き起こす原因の1つ。
そもそも肌へのダメージは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって修復されている。
成長ホルモンは、肌が生まれ変わるサイクルを正常に保つ役割があるのだ。
睡眠不足だとサイクルが乱れ、古い角質が肌に残り続けることに…。
水分保持力が低下した古い角質によって、肌の乾燥につながってしまう。
肌が乾燥すると皮脂の過剰分泌を招き、毛穴の皮脂詰まりを引き起こしかねない。
また、質の悪い睡眠を繰り返すのも肌荒れの原因になるので要注意。
「夜更かしをして朝寝坊を繰り返す」「寝る直前にスマホやTVの画面を見る」など、脳が覚醒する行動を繰り返すと質の高い睡眠をとることができない。
できるだけ毎日決まった時間に寝起きして、スムーズな入眠につなげよう。
皮脂や油分が多く分泌される
そもそも男性は体質的に皮脂や油分が多く分泌されるのも、大人ニキビの原因だ。
当然ながら、メンズは男性ホルモンが優位。
主にアンドロゲンという成分によって、皮脂の分泌を促しやすいのだ。
中でもオイリー肌(脂性肌)の方は、体質的にニキビができやすい。
他にも化粧水や乳液を使わないなど、スキンケア不足で皮脂量が多くなっているメンズも少なくないだろう。
まずは自分の肌質を知ったり、スキンケアを見直すことが改善へのカギになる。
脂っこい食べ物や濃い味の食事が多い
脂っこい食べ物や濃い味付けの食事をよく食べるのも、実は大人ニキビの原因だ。
特にピザや揚げ物、脂肪分の多い肉など、炭水化物や糖質の高い食事を日常的にしている方は要注意。
糖質に含まれるコレステロールやインスリン様成長因子(IDF-)などが、男性ホルモン分泌を促進するのだ。
最終的に皮脂の過剰分泌を招き、ニキビになってしまう。
逆に無理なダイエットや偏食など、栄養バランスが偏る食事をするのもNG。
自力で肌を修復する力が弱まり、肌の生まれ変わりを阻害してしまう。
健やかな肌を育てるためにも、栄養バランスの取れた食事を心がけるのが重要だ。
顔を洗わない・入浴しない
顔を洗わなかったり、浴槽に浸からないのも絶対NG。
顔や体に残った汚れや皮脂が、肌への負担になって炎症を起こすのがニキビの原因だ。
また湯船に浸からないと、血行不良によって古い角質を排出しにくくなる。
肌が生まれ変わるサイクルを乱して毛穴詰まりを起こして、ニキビになってしまうのだ。
疲れていても顔や体を清潔にしてから寝るように心がけたい。
【部位別】ニキビができる原因&対処法
大人ニキビは、ニキビができる部位によっても原因が異なる。
特にしつこくニキビを繰り返している場所がある方は、適切な対処法をチェックしておこう。
生え際・おでこのニキビ
おでこにニキビができる原因は、皮脂腺が多いから。
皮脂腺がおでこに集まっているので、他の部位よりも皮脂の分泌量が多くなる。
さらにストレスや睡眠不足など、ホルモンバランスが乱れた状態になると皮脂が過剰分泌されやすい。
また、前髪が汚れていると炎症を起こしやすくなる。
髪についた見えないホコリや整髪料は皮膚を悪化させてしまうのだ。
前髪がかからないように短く切りそろえるなどの工夫をしよう。
生え際にニキビが多発している人は、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しが原因になっていることも。
入浴時はしっかりと髪を洗い流すのを心がけてほしい。
頬のニキビ
頬にニキビができる原因は、肌の乾燥によるもの。
頬は顔の中でも皮脂の分泌量が少ないので、ターンオーバーが乱れやすい。
ターンオーバーが乱れると、皮膚の外側にある角質が厚くなり、皮脂が毛穴に詰まりやすくなる。
皮脂の毛穴詰まりは、アクネ菌の繁殖(ニキビができる菌)につながるのだ。
特に頬はタオルで拭ったり、寝具で擦れたりなど、肌が刺激を受けやすい部分でもある。
「ゴシゴシ強く頬をこすらない」
「柔らかい素材の寝具に変える」
など、刺激を与えない工夫をしよう。
口周りや鼻(鼻下)のニキビ
口や鼻周りにニキビができる原因は、ビタミン不足。
とくに皮脂分泌量をコントロールする、ビタミンB群の不足が原因だ。
中でも「ビタミンB₂」が不足すると、肌が脂性肌(オイリー肌)になりやすい。
(ビタミンB₂は牛肉・豚肉・鶏肉のレバーやうなぎといった動物性の食材に含まれている。)
また暴飲暴食や糖質が高いモノ・脂っこいモノばかり食べる偏食は、胃腸機能の低下を招く。
肌の生まれ変わりが滞って肌荒れが悪化するので、バランスの取れた食事を心がけよう。
あご・フェイスライン(Uゾーン)のニキビ
あごやフェイスラインにニキビができる原因は、髭剃りによるもの。
メンズの場合、髭剃りによって肌の角質層の損傷が起こる。
(角質層とは肌の表面を構成する組織。肌内部の水分を保ち、肌の乾燥や雑菌の侵入を防ぐ働きがある。)
カミソリや電気シェーバーの刃で肌の表面が傷つき、肌内部の水分が蒸散したり、細菌の侵入が起こりやすくなるのだ。
また、あごやフェイスラインは、ホルモンバランスが乱れにも敏感。
男性ホルモンの一種であるテストステロンが過剰になると、毛穴を収縮させて角栓を詰まらせる。
テストステロンを生成する「コレステロール」の過剰摂取を控えてみよう。
身体(うなじや太もも、背中など)のニキビ
身体のニキビができる原因は、衣服の摩擦や毛穴詰まりによるもの。
身体は皮膚が外部刺激を受けるので、肌が炎症しやすい状態なのだ。
たとえば髪の蒸れやマフラーなどは、首のニキビができやすくなったりする。
また背中は皮脂の分泌量が多く、毛穴が詰まりやすい部分。
肌に触れる衣服や寝具が汚れていると、身体にニキビができるの原因となる。
夏場は通気性のいい衣服を来たり、寝具を清潔に保つようにしよう。
大人ニキビの治し方・予防方法4つ
思春期ニキビと違い、大人ニキビは生活習慣から見直すのが重要。
日頃からケアを心がけて、今あるニキビを治すだけでなく予防もしていこう。
- 丁寧な洗顔・保湿ケアを毎日欠かさず続ける
- 炎症が収まるまで市販薬をしっかり塗る
- ビタミンB・ビタミンCを中心にビタミン不足を解消する
- 食物繊維や発酵食品で腸内環境を整える
- 最低でも週1回は寝具を取り替える
正しい洗顔&化粧水・乳液で保湿ケアを毎日続ける
ニキビを治すには、洗顔・保湿ケアを毎日するのが大前提。
とくに男性はホルモンの関係で脂性肌が多い。
そのため洗顔の段階でしっかり皮脂を落としておく必要がある。
だからといって、1日に何度も洗顔を繰り返すのはNG。
朝と夜に1回ずつ、丁寧に洗顔するのを心がけよう。
またニキビを治すには、肌をよく保湿することも重要。
肌に水分が足りていない状態では、毛穴が塞がりやすくなる。
スキンケアには、セラミド配合の化粧水・保湿剤を選ぶのがベストだ。
水分をたっぷり吸い込んで保湿をしてくれるので、弾力のある肌に仕上げられる。
逆に油分の多いクリームを使ってしまうと、毛穴を詰まらせる恐れがあるので注意しよう。
市販の塗り薬を塗る
ニキビが炎症を起こしているときは、市販薬を塗り続けるのも重要。
市販薬を選ぶときは、症状に合わせて下記の成分を選ぼう。
ニキビに効果のある成分 | 効果 |
---|---|
ディフェリンゲル | ・小さな毛穴に作用し、毛穴詰まりを取り除く効果がある。 ・白ニキビや初期ニキビを治す。 ・炎症を抑える作用があり、赤ニキビや黄ニキビになるのを防ぐ。 |
ベピオゲル | ・ニキビの原因となるアクネ菌を消毒してくれる。 ・皮膚のターンオーバーを促し、新しい皮膚への再生を促進する。 ・ニキビの成長を抑制する。 |
デュアック配合ゲル | ・アクネ菌の殺菌に特化している。 ・赤ニキビや黄ニキビへ効果がある。 |
ゼビアックスローション | ・細菌の増殖を抑制する。 ・赤ニキビや黄ニキビへ効果がある。 →細菌感染が進んでいないと効果が発揮できない。 |
ダラシンTゲル | ・アクネ菌の増殖を抑制する。 ・赤ニキビや黄ニキビへ効果がある。 →ニキビの症状が進んでいないと効果は薄くなる |
殺菌作用のつよい軟膏は、ニキビの周りの正常な皮膚の細胞まで殺菌する恐れがあるので要注意。
軟膏を塗るときは、綿棒ですくってニキビの炎症している部分だけに塗ろう。
ただし市販薬でケアできるのは軽症のニキビだけ。
なかなかニキビが改善しなかったり、炎症がひどい場合は皮膚科を受診しよう。
ビタミンなどニキビに効果的な食べ物を摂取する
ニキビを改善するなら、ビタミンを多く摂取するのを心がけよう
おすすめのビタミンは、ビタミンB群とビタミンC。
- ビタミンB群…肌の新陳代謝を促進させ、抵抗力を高める
- ビタミンC…皮脂の分泌を抑制し、色素沈着を抑える
ビタミンB群が含まれる食べもの | ビタミンCが含まれる食べもの |
---|---|
・かつお ・マグロ(赤身) ・豚肉 ・うなぎ ・牛乳 ・さば ・あじ ・鶏むね | ・キウイ ・菜の花 ・赤ピーマン ・ブロッコリー ・パプリカ ・ゴーヤ ・柿 ・かぼちゃ |
とくに緑黄色野菜や果物などは、無加工の方が吸収率が高くなる。
もちろんビタミンはサプリメントで摂取するのもOK。
ただし栄養素を過剰摂取しないよう、決められた分量を服用しよう。
腸内環境を良くする
ニキビを治すには腸内環境の改善もポイントである。
腸内環境が悪い便秘状態では、悪玉菌が増殖して腐敗産物を作り出す。
腐敗産物が血流に流れて肌に蓄積すると、ニキビなど肌荒れの原因になる。
腸内環境を整えるには、下記の食品を取り入れてみよう。
- 食物繊維をよく摂る
- 発酵食品を食べる
食物繊維が含まれる食べもの | 発酵食品 |
---|---|
・玄米 ・麦めし ・とうもろこし ・大豆 ・さつまいも ・こんにゃく ・ごぼう ・ふき | ・味噌 ・納豆 ・ヨーグルト ・チーズ ・ぬか漬け ・甘酒 |
もちろん、食物繊維と発酵食品を一緒に摂るのもおすすめ。
「玄米ごはん+みそ汁」といった日本食の組み合わせが手軽だろう。
清潔な枕や枕カバーを使う
ニキビを治すためには、肌に触れるものを清潔にしておくことも重要。
枕カバーやシーツなどの寝具は、皮脂や雑菌で汚れていることが多い。
できれば週に1回は洗濯するように心がけよう。
忙しい人は清潔なタオルをシーツの上に敷いたり、枕カバーの上から巻いたりしてもOKだ。
ニキビがひどい時は早めに皮膚科を受診しよう
ニキビが治らなかったり、炎症がひどい場合は早めに皮膚科を受診しよう。
場合によってはニキビではなく、別の症状である可能性も高い。
ニキビとよく間違えられる症状
- 毛のう炎(毛包炎)
- おでき(癤)
- 毛包性細菌感染症の分類
- 脾粒腫
- 粉瘤
抗生物質などで症状を緩和できるので、ニキビに痛みやかゆみを感じる場合も1度医師に相談するのがベストだろう。
ニキビケアに関するよくあるQ&A
Q1.ニキビ跡やクレーターは毎日のスキンケアで治る?
A1.軽度なら自力で治せる可能性もある。重度ならクリニック治療がおすすめ。
Q2.ニキビ跡を隠す方法はある?
A2.BBクリームなど、化粧品を使って一時的にカバーすることは可能。
思春期ニキビと違い、大人ニキビは生活習慣が原因になっていることがほとんど。
予防を兼ねて毎日できることから取り組むのが重要だ。
- 毎日朝と夜の洗顔・保湿ケアを続ける
- ニキビの炎症がおさまるまで市販薬を塗る
- 魚介類や緑黄色野菜、果物を中心にビタミンB・ビタミンCを摂取する
- 食物繊維+発酵食品で腸内環境を改善する
- 最低でも週1回は寝具やパジャマを洗濯する
もちろん「毎日ケアしているのにニキビがなかなか治らない」「痛みやかゆみがひどい」という場合は、医師の指導を受けることをおすすめする。
美肌を目指すには、まずニキビを繰り返す負の連鎖を断ち切るのを心がけよう。
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